家族と介護のお話 その3

三男坊と言う位ですから当然兄がふたりおります。


長男の嫁との確執から緊急避難をさせたものの、三男坊の嫁から見れば、順序からいけば次は次男坊がK婆ちゃんの面倒を見るべきとの認識でおりますが、致し方ないとの事ですかね。


三男坊が主たる介護人に成ってからは、おのずと三男坊の嫁さんに細々とした女ならではの介護の用事が生じ、身体的、時間的負担が大きくなって尚更です。
月2回程度とはいえ、1年半にわたり片道2時間をかけての通所の負担と、施設からの退所勧告と合わせて、三男坊は自宅の近くに建設中の私立の自立型老人介護施設を探し出してきました。


勿論嫁さんと協議の上で賛同を得てのことです。同じ屋根の下でのK婆ちゃんとの共同生活では、長男夫婦と同じ蹉跌を踏むのは目に見えています。
しかし肝心のK婆ちゃんにはまだ言ってません。K婆ちゃんにしてみれば、姥捨て山の山の変更みたいなもんです。こりゃ一筋縄ではいく筈がありません。


まして当初こそ文句タラタラでしたが、女王様気分でいられる、今の施設が満更ではなかったし、今度は田舎暮らしから東京暮らしになるのですから尚更です。


そこは何ってたって実の親子です。Kばあちゃんの性格は熟知しております。計画は立ったものの切り出しに悩む三男坊でしたし、退所期限も迫る中での思案でした。またもや謀略?を企てる三男坊でした。