フィリピン 弁護士(1)

仕事柄知り合う弁護士の数は多い。
日本国内はもとより、今まで米国・中国・韓国・ベトナム・タイ・シンガポールカンボジア・そしてフィリピンと数カ国の弁護士と、この35年間に協働してきました。


日本国内での業務の場合、私は行政書士であって弁護士ではないので、解決を目指す事件の内容と手段によっては、代理人として相手側弁護士と協議することは、問題が生じる場合がある。


但し、相手側が当方からの申し出を承知する場合はその限りではありません。
若しくは、紛争性を有しない和解協議等や、契約締結やその他法律文書作成上必要な協議等、一定の条件が叶う場合は、有効な代理人として何等問題無く代理人として協議します。


現実の問題として、弁護士法の職域上のトラブルは35年間の業務の内、一度もありません。
相手側も代理人を出す以上は、どこかに着地点(妥協点)を見出したいのだし、代理人としても依頼人の利益の最大化実現の中には、時間や事件内容の究明も含まれるので、事件解決に関与する人間の能力の方が重要だからだと思われます。


海外の場合はどうだろう。能力と言う点でまず言葉の問題がある。その国の法律の解釈、特に判例解釈の深度の問題がある。裁判所等その国の官公署の手続き実務の実績の問題がある。事実上お手上げ状態です。
当事務所(JIS渉外法務事務所)が35年間にわたって業として継続できた理由がここにありまする。
現地弁護士事務所といかに有功に協働していくか、時間と費用をいかに有功に使うか、事件処理の目的を明確にして、その目的点の現実性を推し量る。
海外で行う行政・司法手続きの現実的解決手段を、依頼人に的確に説明できるかが渉外法務事務所の第一次使命と思っています。
そして納得して頂いた方に、業務としての委託を受けます。



実例として。
ここ数年フィリピン協和国内での離婚手続きについての問合せが大変多くなりました。
外国人との離婚手続きの方法が大きく変更になった事が理由です。
また、離婚手続きを安易に考えていた方々が、再婚や遺言・相続等の次の手続きに大きく関係することを理解してきた(高齢化してきた。)のも一因かと思います。


2014年の1年間を当事務所のみの統計ですが例にすると、約100件の電話とメール相談がありました。この内複数回遣り取りを行ったのが50件です。この50件の内、無料面談までいったのが40件です。当事務所から見ての業務にまで進んだのが2件です。
フィリピン国内にて弁護士との業務開始が1件、日本国内にて業務開始が1件です。現在継続しているのはフィリピン現地まで出向いて、現地弁護士との協議を開始し、精神鑑定まで済ませた1件のみです。


当事務所は無料相談に力を入れています。それはフィリピンでの行政・司法手続きの実態を十分に理解してから委託して欲しいからです。
無料相談を行う方の中には何処で仕入れた情報か不明ですが、費用や時間や手続きの手間に関して、法外な情報をお持ちになる方もおります。
また外国人の無料相談希望者に多いのが、XXX事務所ではこう言っていた。XXX弁護士はこう言っていた。と他の事務所や先生と比較して、見積もり費用や手続きの目論見に優劣をつける方がおり、ご自身と当事務所の目論見が合わない場合に非難する方です。
無料相談の範疇ですので、相性が合わない場合は次の先生をお探し下さいとしか言いようがありません。


2014年中に偶然ですが3件続いたケースです。フィリピン以外の外国に住む日本人の方が、同じ国で働くフィリピン人と結婚したい。ついては居住国で相談したい。全く同じケースで離婚したい。日系米国人の方が日本国籍の親族の相続手続きについて相談したい。これらは、無料出張相談を希望してきたケースですが、旅費交通費のみは実費ご負担頂いております。

(続く)