帰国 雑感

17日帰国しました。4ヶ月ぶりのフィリピン行きでした。ここ何年かは毎月の様に通っていましたので、4ヶ月ぶりのフィリピン行きはとても楽しみでした。


14日には1日遅れですが、パナイ島のイロイロ新空港も見学できました。13日にはアヨロ大統領も出席して、多くの日本人工事関係者も参加したオープニングパティーでした。
日本のODAの一環として建設されましたが、マニラ空港の第3ターミナル事件が解決されない中で並行して建設された新空港ですので、同様なことを懸念しておりましたが、当初の計画より3ヶ月遅れとはいえ無事13日離陸できました。
イロイロ市内の風俗街は工事関係者でそれなりに賑わっていましたので、完成がむしろ残念そうでした。
工事に関わる直接的な部分ばかりではなく、間接的な潤いももたらすのですね。経済の絶対値が小さいので、大きなプロジェクトが市に与える影響力は小さくはありません。


フィリピン国内での日本向け介護士派遣については、4ヶ月前と比べて随分と声が小さくなりました、掛け声ばかりで実体が伴わない各手続きに嫌気が差してきたのでしょうか、どうしても日本行きに拘るという声は学校からも、生徒個人からも殆どでなくなりました。
日本政府は介護の世界ばかりではなく、一切の単純労働を含めたビサを条件付とはいえ開放を考慮しだしましたが、遅きにして機を逃すということも考慮しないといけませんね。まぁ基本は外国人には来ていただきたくないが本音でしょうから、国民の生活上の現実的な問題よりも自分らの建前を優先するのでしょう。したがって、今回の介護士導入と同様に、実際は絵に書いた餅みたいな開放条件が付帯されるではないかと懸念しております。


マニラに戻ってから気が付きましたが、風俗街で働く女性が若くて綺麗になっていました。
庶民経済の不調は風俗街に現れます。
ここ最近のペソ高がフィリピン国民には経済的恩恵を与えてはいない様です。フィリピン政府は外債の借款を前倒しで返済させたりでそれなりにハッピーなんでしょうが、石油等の輸入品価格の低下等の恩恵を受けるはずの一般庶民には、なぜかペソ高は無関係のようです。むしろGDPの10%を占める外国からの送金がペソに換金する際には実質目減りし、物価の高騰とあいまって生活が苦しくなっているようです。
私達外国人にとっても、2年前と比べて日本円からペソへの換金で確実に30%悪化していますから、物価上昇とあいまって、気分では全てが50%位高くなったような気がします。
ペソ以上に強い韓国ウォンの影響で、フィリピンではマニラばかりではなく、地方都市でも韓国人を多く見かけます。


フィリピンの様に経済実体が小さな国では他国の恣意的な思惑で通貨が上下します。今回はその影が見えません。だれが操作しているのか、理由なきペソ高といわれる所以です。2005年4月の市場為替レートによる数字ですが、GDP(179国)日本2位−4兆8000臆ドル、韓国13位-7200億ドル、フィリピン48位-926億ドル。
国民ひとりあたりのGDP(179国)日本15位−37566ドル、韓国36位-14784ドル、フィリピン120位-1080ドル、ここからみても中国よりはかなりましとはいえフィリピンの富の偏在がみられます。一般庶民はかなり可哀想な生活を余儀なくされています。
まぁ私個人としてもフィリピンでも行かない限り、自国の強さを実体験できない貧乏人ではありますが・・・