JAL

昨日帰国した。
毎度お馴染のノースウエスト航空(現デルタ航空)である。
航空会社となれば、今話題沸騰のJALである。
各種のマスコミが多面的に報道しているので、色々ある事件の中では、情報量が多いのであろう。
そのせいか諸説諸々の状態ではあるものの、総じて税金救済には否定的である。


その説の中で最も声の大きいのがJALOBの年金問題である。
3000億円とも言われる年金資金の不足分を何故税金で補填しなくてはならないのか、説明が付く筈も無い。
平均25万円程度の一般年金に対して、平均50万円がJALOBに支給されている。
OB連中にしては、老後の計画が大きく崩れるので、自ら減額に応じるとは思えないが、企業年金部分の30%削減に収まりそうでもある。
しかし30%削減でも40万円強(25+25x0.7)の支給額である。
一般年金生活者や、薄給重労働の若者の労働者の賛同は得られまい。


どうしてJALはここまで経営が悪化したのか、その点を考えると政府としても「民間会社ですから自己責任で」と、突き放すのも難しいだろうし、1兆円を超える債務会社が倒産すれば、金融機関を含めてその影響力は計り知れまい。


JALは今までに何度かの経営危機を招いているが、その都度対処療法のみでやり過ごし根本治療を怠ってきた。これは長年続いた自民党政権のツケでもある。
自民党政権の政策を悉く嫌悪する民主党政権ならば可能のはずだ。
今こそ根本治療のチャンス到来と見るべきであろう。


問題を我流ではあるが整理してみた。
1 JALは必要か?
A 健全な航空流通発展のために、国策会社であろうが複数の航空会社は必要である。
2 ANAとの合併は如何か?
A ANAと合併させることは賛成だが、ANAは設立時からの民間航空会社であるので、合併に対してはかなりきつい条件がつき、公正な競争が阻まれる。
3 外国資本の航空会社との合併は?
A 最悪のシナリオになる可能性が大きすぎる。平成バブル崩壊後に外国資本に売り渡した銀行の今日の姿をみれば一目瞭然であろう。


不謹慎とも思えるがエンターテイメントの一環としてJALの行き先を思い描いてみた。
1新JALを立ち上げる。
2JALは新JALに運航と保守関連のみの全ての資産をリースする。
3新JALはJALより新待遇で社員を募集する。
4JALは毎月のリース料と、運航と保守関連の除いたその他の資産を売却して債務を返済する。
5新JALは政府保証で長中距離中型機・小型機の新機材を導入する。
6新JALは採算の見込める路線のみの大型機を残し、その他を売却する。
7新JALは航空会社に徹し、運航と保守以外の関連会社を全て売却する。


補足説明
1新JALは100%政府が株主として発足する。
2進JALは航空会社に徹する。競争力を持つためにマイレージ等の顧客サービスの劣化を避ける。
3新しい条件でJALから社員を募集し、新規の人員も入れる。社員については可能な限り日本国籍に拘る。
4売却損がでても売却若しくは閉鎖する。債務を出来るだけ圧縮し、ランニングコストの掛からない会社にする。計算上返済の目処が立たない部分の債務を銀行団に放棄してもらう。
5利益の出る体質にするために先行投資になる。融資元は債権放棄をした銀行を優先的に利用しするなどの優遇策を考慮する。
6利益の出る体質にするために残す。シンガポール航空で成功した新機材で平均機齢の若い、安全性の高い航空会社にする。
7利益の出る体質にするためにその他の資産を売却する。


グランドデザイン
国内運航については、小型機を中心にしてランニングコストを下げて、地方空港の路線を維持するが、空港を管理する地方冶自体にある程度の搭乗率の補償ををとる。
国内国際共に羽田成田両空港のみをハブとする。
ANAとの協働を図る。
大企業ではなく優良中企業を目指す。



こんな事を考えてみた。